『薫櫻日和 ―私たちの春夏秋冬―』

第6話『文化祭当日と友情の絆』


朝から校舎は賑やかだった。教室の飾り付け、廊下のポスター、校庭でのステージ準備――どこもかしこもワクワクでいっぱい。
「美紀、最初に飾り付けを確認しよう!」
結が元気に駆け寄ってきた。
「うん、じゃああの窓側から…」
私たちは昨日まで準備していた飾りを丁寧に確認しながら、教室全体を見渡す。
そこへ翔先輩が通りかかる。
「お、完成度高いな!美紀、結、よく頑張ったな」
「ありがとうございます!」
思わず二人でぺこりとお辞儀する。
午前の開会式が始まると、校庭には各クラスの出し物や応援団の声援が響く。
「わぁ…人がいっぱい…!」
結が目を輝かせる。私はその熱気に胸が高鳴る。
「美紀、そろそろステージの準備だ」
翔先輩の声に、私は少し緊張する。
「う、うん…大丈夫かな」
「大丈夫!美紀ならできるよ!」
結が手を握ってくれるだけで、少し勇気が湧いてくる。
ステージのライトが点くと、観客の視線が一斉にこちらに向く。
「せーの!」
軽音部の合図で、私たちは曲を演奏し始めた。
「美紀、すごい…!」
結が隣で微笑む。心の中で「私、頑張れてる…!」と思わずつぶやく。
演奏が終わり、歓声が上がる。拍手が耳に心地よく響き、達成感で胸がいっぱいになる。
「ありがとう、美紀ちゃん!」
翔先輩が笑顔で声をかけてくれる。
「こちらこそ…!楽しかったです!」
私も思わず笑顔になる。
その後、教室で休憩すると、結が少し真剣な顔で私を見つめる。
「美紀…今日、ありがとう。私…あなたと一緒に過ごせて本当に楽しい」
「うん…私も、結と一緒で嬉しい」
二人で笑顔を交わす。友情の絆を改めて感じた瞬間だった。
夕方、文化祭も終盤に差し掛かる。校庭では生徒たちが最後のパフォーマンスを披露している。
「美紀、最後に一緒に写真撮ろう!」
結が手を差し出す。
「うん!」
二人で教室前の桜の下に立つと、桜吹雪が舞い落ちる。
その瞬間、翔先輩がそっと近づき、私の肩に手を置いた。
「美紀、今日は本当にお疲れさま。これからも、一緒に色んなことを楽しもうな」
「はい…!」
心臓がドキドキと高鳴る。友情も恋も、文化祭を通してさらに深まったのを感じた。
夜、帰り道で結と話す。
「美紀、今日の思い出は絶対に忘れないね」
「うん…私も、絶対忘れない!」
桜の花びらが落ちる中、二人の笑顔は夕陽に輝き、これからの高校生活の楽しみを予感させた――。
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