あなたの子どもが欲しい夜 4つの愛と本能の物語

第1話 仕事だけで生きてきた私が、完璧な年下部下の子どもが欲しいと思った夜

「高瀬部長、この件なんですが……」

朝から部下に呼ばれて、私はノートパソコンから顔を上げた。

「うん、見せて」

差し出された資料に目を通しながら、私は静かに言う。

「ここ、数字の根拠が弱いわね。先方に突っ込まれる前に補強して」

「はい、すぐ修正します」

「あと、この提案は悪くない。着眼点はいいわ」

「あ……ありがとうございます」

ほっとしたように部下が笑って、自席へ戻っていく。

そんなやり取りは、もう何年も繰り返してきた。

部長として指示を出し、判断し、責任を負う。

忙しいけれど、嫌いじゃない。

むしろ、ここまで来るために私はずっと頑張ってきたのだ。

会議室へ向かう途中、後ろから声が聞こえた。

「部長、お先に失礼します」

振り向くと、入社して五年になる部下の沙紀が立っていた。
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