パフェの魔法:それは、あなたが望んだ物語
あなたの願いとは?
 ――そして、運命の翌朝。

 西の国からの侵攻を迎え撃つため、東の国の広場には大勢の兵士たちが集結していました。
 しかし、今日集まったのは彼らだけではありません。
 
 街の者たちまでもが、鍬(くわ)や棒を握りしめ、自分たちの居場所を守るために立ち上がったのです。

 その最前線には、腰に手を当て、凛とした姿で立つパフェがありました。

「……ねえ、本当に大丈夫なのかい、あの魔法使い」

 不安を隠しきれない婦人が、隣に立つ兵士団長にそっと囁きました。

「人は良さそうだけどさ、相手は大魔法使いなんだろう? 戦いなんてできっこないよ」

 けれど、問いかけられた兵士団長は、どこか遠くを見つめたまま「心ここにあらず」といった様子で、ぼんやりと生返事をするだけです。

「ちょっと、あんたまでどうしちまったんだい! さっきから上の空じゃないか!」

 婦人が痺れを切らして怒鳴ると、団長はようやく重い口を開きました。

「……なあ。あんなところに、花が」

「はあ? 花だって?」

 団長が指差した先。そこは昨日まで、土がひび割れ、雑草の一本すら枯れ果てていた不毛の地でした。
 しかし今、そこには名もなき小さな花が、朝露を浴びて瑞々しく、誇らしげに一輪咲いていたのです。
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