桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜

プロローグ

17歳の誕生日の夜。

りあは、シンガポールから日本へ戻る決意をした。

昔は、あの広い家でーー
みんなと騒いで、誕生日を祝っていたのに。


「りあ、本当に帰るの?」


いつも気丈な母の声が、ほんの少しだけ揺れる。


「りあー!お父さんは寂しい!ひっじょーに寂しい!」


……父は、相変わらずだ。

おおげさに腕を広げる父の脇腹に、
母の肘が容赦なく入る。

「いでっ!」

「……みんなには、私から連絡しておいたからね」

「うん」

みんな。

その言葉が、胸の奥に静かに落ちる。


(あつし)も、(しゅん)も、隼人(はやと)も、颯太(そうた)もーー。


義理の兄弟たちが暮らす、あの家の空気を思い出そうとして、やめた。

思い出すより、帰った方が早い。


正直、少しだけ怖い。

でも――ちゃんと向き合いたい。

あの日のままじゃ、いられない。

りあは指先をぎゅっと握りしめた。

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