桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
桐生家。
「マジで!?」
久しぶりの母からの国際電話。
その一言で、敦は思わず声を荒げた。
『あっちゃん、語尾にビックリマーク付けて叫ばなくていいのよ。耳が痛いわ』
電話越しでも分かる静かな圧に、
敦は一瞬言葉を詰まらせる。
「いや、だって急にそんな……」
「……あの子が自分で決めたのよ。
また、あなた達と一緒に暮らしたいって」
一緒に、暮らしたい。
その言葉が、妙に静かに響く。
敦は何か言いかけて、やめた。
嬉しいのか、困るのか、自分でもよく分からなかった。
「まぁ、そういうことだから。よろしくね」
淡々とした母の声の背後から、
聞き慣れた野太い声が割り込む。
「おい敦ー!りあたん、いじめんじゃねーぞ!
夏は果物たっぷりのかき氷食べさせてやれ!
でもあの子、知覚過敏だからな!」
「うるせーよ、親父」
取り扱い説明書かよ。
ていうか、俺がどれだけあの子を大事にしてきたと思ってんだ。
通話が切れ、リビングに静寂が落ちる。
ーーりあが、帰ってくる。
それだけで、妙に落ち着かない。