桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
次の瞬間——
「姉ちゃん!!」
勢いよく飛び込んできた影。
少し低くなった声に、一瞬だけ戸惑う。
「颯太っ」
名前を呼ぶより先に、抱きつかれる。
「姉ちゃん……おかえり……」
甘えるように、ぎゅっと腕を回される。
明るい栗色の髪が、走ってきた勢いでふわりと揺れた。
大きな目も、少し幼い顔立ちも——
変わらない。
でも。
「……颯太っ」
背が、伸びてる。
敦兄より頭ひとつ分低いくらい。
いつの間にか、そんな高さになっていた。
少しだけ、どきりとする。
変な意味じゃない。
ただ、時間の流れを急に感じただけ。
「ただいま……」
私も腕を回して、颯太の背中を軽く撫でた。
颯太も同じように、ぽんぽんと背中を叩いてくる。
「おいおい、颯太」
敦兄が呆れた声を出す。
「……そこまで。姉ちゃん困ってるだろ」
ぐい、と颯太を引き剥がす。
「えー」
不満そうな声。
その時、もう一つの足音がゆっくり階段を上がってきた。