桐生家の四兄弟と私〜義兄弟に囲まれてます〜
第18話 姉ちゃんのバカヤロウ
シャワーを浴びて、洗面所に立つ。
ドライヤーの音が、静かな家の中に小さく響く。
鏡の前で髪を乾かしながら、ふと思う。
……颯太、まだ帰ってこないな。
部活にしては、少し遅い。
さっき敦兄は「大丈夫だろ」って言ってたけど……。
連絡、しようかな。
そう思ってドライヤーを止めて洗面所を出た。
「あ……」
目の前に、制服姿の颯太がいた。
一瞬、目が合う。
颯太は何も言わない。
そのまま私の横を通り過ぎて、自分の部屋へ向かう。
「待って!」
慌ててその後を追いかけた。
颯太は自分の部屋に入り、電気もつけないまま鞄をベッドに置いた。
背中を向けたまま、ごそごそと荷物を触っている。
表情は見えないけど、わざと音を立てているみたいだった。
「颯太、私何かしたかな?」
なるべく明るい声で聞く。
「……」
返事はない。
「颯太――」
呼びかけた、その時。
「……さっき」
低い声が落ちた。
「……何で来たんだよ」
「なんでって……」
「勝手に来んなって言っただろ!!」
突然の大声に、肩がびくっと跳ねた。
でも――
こんなことで、怯んでいられない。
今、颯太から逃げたらだめだ。
自分に言い聞かせるように、ぎゅっと拳を握りしめた。
「……なんでって、そうでもしないと……颯太、話してくれないと思って……」
「だからっ、関係ないんだよ!」
「関係ないって、私たち兄弟なのに……」
「っ……」
暗闇の中。
颯太の背中が、わずかに揺れた気がした。
「颯太……?」
少しの沈黙。
そして。
「俺たち……」
震えるような声。
「本当の、兄弟じゃないじゃん……」
「っ――!!」
颯太は、それ以上何も言わず、静かに部屋を出ていった。
残された私は、その場に立ち尽くす。
頭が、真っ白だった。
言われた言葉が、ぐるぐると頭の中を回る。
――本当の、兄弟じゃないじゃん。
胸の奥が、ひりつく。
しばらく動けなかった。
……さっき。
一瞬だけ、暗闇の中で颯太の顔が見えた。
あれは――
泣いてた?
胸が、きゅっとする。
もしそうなら……。
きっと、行く場所は――
……あそこだ。
ゆっくりと、足を動かした。
ドライヤーの音が、静かな家の中に小さく響く。
鏡の前で髪を乾かしながら、ふと思う。
……颯太、まだ帰ってこないな。
部活にしては、少し遅い。
さっき敦兄は「大丈夫だろ」って言ってたけど……。
連絡、しようかな。
そう思ってドライヤーを止めて洗面所を出た。
「あ……」
目の前に、制服姿の颯太がいた。
一瞬、目が合う。
颯太は何も言わない。
そのまま私の横を通り過ぎて、自分の部屋へ向かう。
「待って!」
慌ててその後を追いかけた。
颯太は自分の部屋に入り、電気もつけないまま鞄をベッドに置いた。
背中を向けたまま、ごそごそと荷物を触っている。
表情は見えないけど、わざと音を立てているみたいだった。
「颯太、私何かしたかな?」
なるべく明るい声で聞く。
「……」
返事はない。
「颯太――」
呼びかけた、その時。
「……さっき」
低い声が落ちた。
「……何で来たんだよ」
「なんでって……」
「勝手に来んなって言っただろ!!」
突然の大声に、肩がびくっと跳ねた。
でも――
こんなことで、怯んでいられない。
今、颯太から逃げたらだめだ。
自分に言い聞かせるように、ぎゅっと拳を握りしめた。
「……なんでって、そうでもしないと……颯太、話してくれないと思って……」
「だからっ、関係ないんだよ!」
「関係ないって、私たち兄弟なのに……」
「っ……」
暗闇の中。
颯太の背中が、わずかに揺れた気がした。
「颯太……?」
少しの沈黙。
そして。
「俺たち……」
震えるような声。
「本当の、兄弟じゃないじゃん……」
「っ――!!」
颯太は、それ以上何も言わず、静かに部屋を出ていった。
残された私は、その場に立ち尽くす。
頭が、真っ白だった。
言われた言葉が、ぐるぐると頭の中を回る。
――本当の、兄弟じゃないじゃん。
胸の奥が、ひりつく。
しばらく動けなかった。
……さっき。
一瞬だけ、暗闇の中で颯太の顔が見えた。
あれは――
泣いてた?
胸が、きゅっとする。
もしそうなら……。
きっと、行く場所は――
……あそこだ。
ゆっくりと、足を動かした。