冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした

1. 叶わない三年の片想い

朝、社長室のドアをノックすると、低く落ち着いた声が返ってきた。

「入れ」

「失礼します。おはようございます、社長」

私、朝倉由真は一礼して室内へ入った。

大きな窓から差し込む朝の光の中で、社長である一条圭太はすでにデスクに向かっていた。

ネクタイまで完璧に締め、机の上には読みかけの資料が整然と並んでいる。

今日も、隙がない。

「本日のスケジュールをご確認ください。十時から役員会議、その後十一時半から秋葉原再開発案件の打ち合わせです。十三時より会食、十五時から――」

「その前に」

圭太が視線だけを上げる。

「会議資料、第三案を見せてくれ」

「はい」

私は慌てずにファイルを差し出した。

けれど受け取った圭太は、数ページめくっただけで静かに言った。
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