冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
「そうなんですね」

「だから、いつか自分の子どもができたら、たぶん相当甘い父親になると思う」

三浦さんのそんな姿が、想像できた。

「ふふ……」

「笑いましたね」

「少し、想像できてしまって」

「ひどいなあ。そんなに似合います?」

「いえ、でも……優しそうです」

そう言うと、三浦さんは少し照れたように視線を外した。

「由真さんにそう言ってもらえると、嬉しいですね」

大人の余裕があるのに、嫌味がない。

穏やかで、言葉の端々に気遣いがある人だと思った。

池のそばの石畳に差しかかった時、着物の裾が足に絡まりかけた。

思わずバランスを崩しかけると、すぐに三浦さんの手が添えられた。

「危ない」

「す、すみません」
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