冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
二十分後、私は再び社長室の扉を叩いた。

「入れ」

「失礼します。修正版です」

圭太さんはファイルを受け取り、数秒黙って目を通す。

沈黙が長く感じる。

心臓が嫌なくらい速く打つ。

やがて、彼は一枚目を閉じた。

「……これでいい」

ほっと胸を撫で下ろしかけた時、圭太さんが続けた。

「最初からこの精度で持ってこい」

「申し訳ありません」

「だが」

低い声に、私は顔を上げた。

「おまえは仕事ができるから、もっとを求めてしまう」

その言葉に、呼吸が止まりそうになる。

「社長……」

「期待していない相手には言わない」

それだけ言って、圭太はもう次の資料に視線を移していた。

胸の奥が、じんと熱くなる。
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