冷徹社長との出張一夜は溺愛の始まりでした
私は二人の間に挟まれるような位置で、自分の手を膝の上でぎゅっと握りしめた。

最初に口を開いたのは三浦さんだった。

「俺は由真さんとの結婚を、本気で考えていました」

胸が痛む。

三浦さんは本当に誠実だ。だからこそ、この場にいるのがつらい。

「はい……」

私がやっと声を出そうとした、その前に。

「由真は渡せません」

圭太さんが、静かに言った。

その一言が、部屋の空気をぴんと張り詰めさせる。

感情的な言い方じゃなかった。

むしろ驚くほど静かだった。

だからこそ、宣言としての重みがあった。

三浦さんも、目を逸らさなかった。

「立場を考えれば、簡単なことではないでしょう」

「簡単ではありません」

圭太さんは一歩も引かない。

「ですが、由真を失う方がよほど問題です」
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