午前零時になったら〜ピーターパンとシンデレラ〜
「お前は姫宮家の一人娘だ。結婚する相手は相応の相手でなくてはならない」

「ママたちが華純に相応わしい人を見つけてあげる。だから彼のことは諦めなさい」

両親からそう言われ、数週間後には父親の取引先の社長の息子と強引にお見合いをさせられた。お見合いといっても、結婚することは確定したものである。

「華純さん。よければ今度二人で出掛けませんか?」

婚約者となった男性は、華純に優しく接してくれた。会うたびに華純にプレゼントを渡してくれる。両親は男性と華純が結婚する日を楽しみにしている様子だった。

「華純、式場はどこにするのか決めたのか?」

「お式楽しみね〜。華純は可愛いから、ウェディングドレスも白無垢もきっとよく似合うわよ」

華純はただ愛想笑いを浮かべることしかできない。そんなある日の夜のことだった。華純が未来のことを考え、眠れなくなっていた時である。バルコニーに誰かの気配を感じた。

「だ、誰?」
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