君に届くのは、10分の1だけ
明日も検査
たぶん明後日くらいに結果わかるっぽい
その文を読んだ瞬間、
明後日、という具体的な言葉が逆に怖かった。
結果が出る。
その当たり前のことが、こんなに嫌だと思ったのは初めてだった。
そっか
終わったら教えて
送ってから、すぐに続ける。
でも無理ならいいから
休めるとき休んでね
律は少ししてから、
うん
また連絡する
と返してきた。
また連絡する。
いつもなら安心する言葉なのに、
今日はその「また」が遠く感じた。
次の日も、その次の日も、
私は学校へ行って、授業を受けて、帰って、
でも気持ちはずっと別の場所にあった。
律とは短いやりとりだけ続いた。
採血した
ねむい
病院ひますぎ
そんな文字を見るたび、
少しだけいつもの律に戻った気がして安心する。
でも、その安心は長く続かない。
結果待ち、という言葉がずっと下に沈んでいるからだ。
何も決まっていないのに、
もう前と同じではいられない感じだけがあった。
三日目の夕方、
私はまた美術科棟の前に立っていた。
扉は閉まっていた。
中の電気も消えている。
あの絵を、律はまだ完成させていない。
そんな当たり前のことが、胸に引っかかったまま取れない。
スマホを握る。
連絡は、まだ来ない。
もう結果は出たのかもしれない。
まだなのかもしれない。
分からない時間が長すぎて、息が詰まりそうだった。
私は何度も、画面をつけては消した。
そのとき、スマホが震えた。
律からだった。
たったそれだけで、心臓が嫌なくらい強く鳴る。
画面を開く。
結果、今日聞くことになった
親と一緒にいる
その一文を見た瞬間、足が止まった。
今日。
もう、今日なんだ。
私はすぐに返信を打とうとして、指が止まる。
大丈夫、なんて言えない。
頑張って、も違う気がした。
何を書けばいいのか分からないまま、
結局、短く打つ。
うん
終わったら教えて
送信してから、胸の奥が冷えていく。
終わったら。
何が終わるのか、自分でも分かっていた。
でも、その先を考えたくなかった。
私はスマホを強く握る。
秋の夕方の空気は、少し冷たかった。
それなのに手のひらだけが変に熱い。
お願いだから。
何でもありませんように、とは、もう思えなかった。
ただ、
取り返しのつかないことになりませんように、と
それだけを、心の中で何度も繰り返していた。
たぶん明後日くらいに結果わかるっぽい
その文を読んだ瞬間、
明後日、という具体的な言葉が逆に怖かった。
結果が出る。
その当たり前のことが、こんなに嫌だと思ったのは初めてだった。
そっか
終わったら教えて
送ってから、すぐに続ける。
でも無理ならいいから
休めるとき休んでね
律は少ししてから、
うん
また連絡する
と返してきた。
また連絡する。
いつもなら安心する言葉なのに、
今日はその「また」が遠く感じた。
次の日も、その次の日も、
私は学校へ行って、授業を受けて、帰って、
でも気持ちはずっと別の場所にあった。
律とは短いやりとりだけ続いた。
採血した
ねむい
病院ひますぎ
そんな文字を見るたび、
少しだけいつもの律に戻った気がして安心する。
でも、その安心は長く続かない。
結果待ち、という言葉がずっと下に沈んでいるからだ。
何も決まっていないのに、
もう前と同じではいられない感じだけがあった。
三日目の夕方、
私はまた美術科棟の前に立っていた。
扉は閉まっていた。
中の電気も消えている。
あの絵を、律はまだ完成させていない。
そんな当たり前のことが、胸に引っかかったまま取れない。
スマホを握る。
連絡は、まだ来ない。
もう結果は出たのかもしれない。
まだなのかもしれない。
分からない時間が長すぎて、息が詰まりそうだった。
私は何度も、画面をつけては消した。
そのとき、スマホが震えた。
律からだった。
たったそれだけで、心臓が嫌なくらい強く鳴る。
画面を開く。
結果、今日聞くことになった
親と一緒にいる
その一文を見た瞬間、足が止まった。
今日。
もう、今日なんだ。
私はすぐに返信を打とうとして、指が止まる。
大丈夫、なんて言えない。
頑張って、も違う気がした。
何を書けばいいのか分からないまま、
結局、短く打つ。
うん
終わったら教えて
送信してから、胸の奥が冷えていく。
終わったら。
何が終わるのか、自分でも分かっていた。
でも、その先を考えたくなかった。
私はスマホを強く握る。
秋の夕方の空気は、少し冷たかった。
それなのに手のひらだけが変に熱い。
お願いだから。
何でもありませんように、とは、もう思えなかった。
ただ、
取り返しのつかないことになりませんように、と
それだけを、心の中で何度も繰り返していた。