無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
心臓が嫌な音を立てる。千隼様の綺麗な赤色の瞳が私をその双眸に移したまま、静かに唇を開いた。
「俺たち離縁しよう」
「──え?」
思っても見ない言葉に、全身が凍り付いて息ができない。まだたった一日しか一緒に過ごしていないにも関わらず離縁を突き付けられるほどなにか粗相をしてしまったのだろうか。それとも政略結婚で一度は受け入れたがやはり“無能モノ”の妻など恥だと感じさせてしまったのだろうか。
「……理由を聞いても宜しいしょうか?」
情けないほどに震えかすれた声だった。
「……悪いが言えない」
「私が浄化師ではないからでしょうか」
「違う。真白のせいじゃない」
「ならばどうして……?」
赤い瞳を一瞬視線を揺らしたように見えたが、そのまま黙って部屋から出ていった。
「俺たち離縁しよう」
「──え?」
思っても見ない言葉に、全身が凍り付いて息ができない。まだたった一日しか一緒に過ごしていないにも関わらず離縁を突き付けられるほどなにか粗相をしてしまったのだろうか。それとも政略結婚で一度は受け入れたがやはり“無能モノ”の妻など恥だと感じさせてしまったのだろうか。
「……理由を聞いても宜しいしょうか?」
情けないほどに震えかすれた声だった。
「……悪いが言えない」
「私が浄化師ではないからでしょうか」
「違う。真白のせいじゃない」
「ならばどうして……?」
赤い瞳を一瞬視線を揺らしたように見えたが、そのまま黙って部屋から出ていった。