無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
今夜は夫婦そろって初めての夕食だが、私の心には靄がかかっていた。
それはさっき街から帰宅する際の彩芽様との一件があったからだ。一流と呼ばれる浄化師を輩出できるのは我が一之宮家と光小路家。
私に浄化師の力がないことから、彩芽様の浄化師としての能力は千隼様にとって必要不可欠だ。
(これから鬼狩りの際、千隼様が受けた瘴気を彩芽様と同じように浄化できる人がいるとは思えない……)
(私のせいだわ……)
私は千隼様の向かいに座り箸を持ったまま、大根と人参のみそ汁を見つめた。
「食べないのか? うまいぞ」
千隼様はみそ汁を飲み干すと、焼き魚をほぐし、大根おろしと一緒に口に入れる。
「魚もいい焼き加減だ。真白は本当に飯が上手だ」
「あの……千隼様」
「なんだ? 彩芽のことなら気にしなくていい」
「そうは参りません。今後、鬼狩りの際、受けた瘴気を浄化させる浄化師は必要不可欠です」
「俺は多少の瘴気なら時間はかかるが自然治癒できるから問題ない」
「ですが……」
千隼様はあっという間に食事を平らげると、ごちそうさまと箸を置き私をじっと見つめた。
「案ずるな。俺が鬼狩りで帝都に向かうことはもうない」
「え……?」
「領地内に出た鬼狩りには行くが、ここら一体に出る鬼はせいぜい三本鬼程度。俺の部下で十分対処できる」
「そうなのですね……でもなぜ帝都に行かれなくても良いのですか?」
この國で最強の鬼狩り師である千隼様は皇帝からの信頼も厚い。
千隼様は返答を躊躇うような素振りを見せてから、静かに口を開いた。
「残り僅かな時間は真白と過ごしたい」
(!!)
それはさっき街から帰宅する際の彩芽様との一件があったからだ。一流と呼ばれる浄化師を輩出できるのは我が一之宮家と光小路家。
私に浄化師の力がないことから、彩芽様の浄化師としての能力は千隼様にとって必要不可欠だ。
(これから鬼狩りの際、千隼様が受けた瘴気を彩芽様と同じように浄化できる人がいるとは思えない……)
(私のせいだわ……)
私は千隼様の向かいに座り箸を持ったまま、大根と人参のみそ汁を見つめた。
「食べないのか? うまいぞ」
千隼様はみそ汁を飲み干すと、焼き魚をほぐし、大根おろしと一緒に口に入れる。
「魚もいい焼き加減だ。真白は本当に飯が上手だ」
「あの……千隼様」
「なんだ? 彩芽のことなら気にしなくていい」
「そうは参りません。今後、鬼狩りの際、受けた瘴気を浄化させる浄化師は必要不可欠です」
「俺は多少の瘴気なら時間はかかるが自然治癒できるから問題ない」
「ですが……」
千隼様はあっという間に食事を平らげると、ごちそうさまと箸を置き私をじっと見つめた。
「案ずるな。俺が鬼狩りで帝都に向かうことはもうない」
「え……?」
「領地内に出た鬼狩りには行くが、ここら一体に出る鬼はせいぜい三本鬼程度。俺の部下で十分対処できる」
「そうなのですね……でもなぜ帝都に行かれなくても良いのですか?」
この國で最強の鬼狩り師である千隼様は皇帝からの信頼も厚い。
千隼様は返答を躊躇うような素振りを見せてから、静かに口を開いた。
「残り僅かな時間は真白と過ごしたい」
(!!)