無能の花嫁は余命僅かの鬼狩り当主に溺愛される
「おい千隼! 狐ではないぞ。四大神獣が一人、黒狐のナユタマルとは我のこときゅ」

「……ナユタマルは父から聞いて名前は知っているが、もっと大きいはずだが?」

「そうきゅ。我は大きくなれる。今はできないがそのうち見せてやるきゅ」

「ふう。狐は嘘が上手だと聞く、気を付けろ真白」

真顔で心配する千隼様に、私はおかしくなってクスクスと笑う。

「大丈夫です。マルは優しくてとっても強い、私の大事な友達です」

「そうか、ならとりあえず屋敷の出入りはゆるそう」

「なんだその言い方はきゅ!無礼者きゅ!」

「俺だけか? 話し方もすこし気になるな……」

「我を侮辱するなど……いつか後悔するきゅっ」

怪訝な目でマルを見つめ、そんな千隼様に抗議し鼻息荒くするマルに私は声を上げてわらった。


「……ぐっ、う……アンタ、いなければ……グル」

(!)

聞こえてきた唸り声にすぐに千隼様が刀を抜く。
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