甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
『今年の冬からウチの店で働いてくれている空雅くんだよ』

『新しい人を雇ったって言っていたけれど、こんなにイケメンだったなんて……くっ、もっと早く見たかったっ!』

『新婚が何を言っているの……』

『イケメンに盛り上がるのは大事でしょ! 心の栄養! 後で詳しく澪花との関係も聞くからねっ!』

『ただの店主と従業員だってば……!!』

野々花は見ての通り明るい性格で、友達も多いけれど、私のことも大事にしてくれている貴重な友人だ。

私と野々花が小声で盛り上がっているのを空雅くんが不思議そうに見ていることに気づいて、野々花がすぐに外向きの微笑みを作って、空雅くんに挨拶をし始めた。

「すみません、久しぶりに澪花にあったので盛り上がちゃって……今日はわざわざ式場を見に来て下さってありがとうございます」

「いえ、こちらこそ結婚式という大切なイベントを彩る花をウチの店に任せて下さってありがとうございます。精一杯努めさせて頂きます」

空雅くんの返答を聞いて、野々花がこそっと私の身体を(ひじ)でつついた。
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