甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
問題は色。ある程度、自分の中で色のイメージを決めなければ統一感が出ない。

二色でも、カラフルでも、どんな配色にするかは大切な問題だ。

配色を悩みに悩んだ花をメインテーブルに設置する。

そして、私は少し離れて目を(つぶ)った。

(自分が参列者の気分で。初めて見た気持ちで)

心の中でそう言い聞かせて、「ふぅ」と一息吐いて、目を開ける。

広がった景色に目を奪われたのは、空雅くんも同じようだった。


「澪花さん、グラデーションにして良かったですね」


空雅くんの言葉に笑顔で頷きながら、私は視線をもう一度メインテーブルに移す。

野々花は「バラの色にこだわりはない」と言った。
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