甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
何か言いたくないことを言おうとしているのだろうか。

ならば無理に聞かない方が良いのかもしれない、そんな考えが浮かぶ。

だから、私はそっと話題を逸らした。

「そろそろ向かおっか。結婚式が始まっちゃう」

「……そうですね」

やっぱりあの日の喧嘩から、私たちはどこかぎこちない。

今の空雅くんも、きっと何か言いたいことがあったはずなのに……。






『澪花さん、結婚しませんか?』






この後、そんな想像すら出来ない言葉をかけられることを私はまだ知らない。

彼が絶対に私を逃してはくれないことも。


『これは契約ですから』


この日、私と空雅くんの関係は今までと大きく変わることになる。
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