甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
「宮坂グループって聞いたことありますか? ホテルとか経営しているところです」

宮坂グループってホテルなどの宿泊施設を幅広くやっている大企業のはず。

まるでどうでも良いことを告げるように、空雅くんは淡々と言葉を進めていく。


「俺はそこの一人息子ですね。そして、澪花さんの家系は名家だった。まぁ、今はもう澪花さんのお祖父様が細々とやっているだけですが、家柄だけで言えば相当ですよ。利害の一致です。俺と結婚すれば、お祖父様の会社にも宮坂グループが出資出来ます」


家柄だけで言えば。利害の一致。

優しい空雅くんはいつもだったら絶対にそんな言い方をしない。

その冷たい言葉たちにやっと心が少しだけ落ち着いてきた。

落ち着いた頭で、いま空雅くんに伝えるべきことをまとめていく。





「分かった。空雅くん、結婚しよう」





顔を上げて、はっきりとそう言う。

私の言葉に目を見開いて、一瞬だけ驚いた顔をした空雅くんがいた。
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