甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
混乱していることが分かっているのに、それを治める方法は分からなくて、まるで頭の中で思考が渦を巻いているようだった。

「澪花さんのお祖父様は最後まで澪花さんの意思を尊重したい、と言ってしました。しかし、このままではお祖父様がさらに困難な状況に陥るのも時間の問題でしょう」

「な、何を言っているのっ……! 変な冗談言わないで!」

空雅くんがこんな冗談を言わないことを知っているのに。

それでも、やっぱり動揺した頭では、空雅くんに大きな声で攻めるような言葉を言ってしまう。

「まず、なんで空雅くんがそんなことを知っているの!?」

「…………」

「ちゃんと教えてっ……!」

手を伸ばせば届く距離だったのに、私が動揺して空雅くんに近づいたせいで、もう空雅くんは私の目の前にいる。

距離は近づいたのに、まるで今までの信頼は壊れていくようで。





「俺が澪花さんの婚約者候補なので。でも、もう婚約者なんて面倒くさい時間は省いて結婚しようと思って。これは契約ですから」





私の知っている空雅くんは、こんな酷いことを言わない。

まるでわざと酷いことを言って、私に嫌われようとしているみたいで。
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