甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
「ねぇ、空雅くん。空雅くんはウチの店で働きながら宮坂グループの仕事もやっていたんだよね。今日もウチの店にいて大丈夫なの……?」

「うーん、確かにずっと澪花さんの店で働くって訳にはいきませんが、いま俺がいなくなったら澪花さんが困るでしょ?」

空雅くんがわざと「俺って役に立ちますから!」と私が気を遣わないような冗談を言葉の最後に付けた。

それでも、それは事実で。

だから、つい本心が漏れてしまった。


「うん、空雅くんがいなくなったら困る」


空雅くんが「ずっといられない」と言うなら、ずっといられないのだ。

空雅くんがいつかこの店からいなくなる。

その事実が堪らなく寂しくて。

それでも、私はすぐに誤魔化すように明るい声を出した。

「なんてね! ずっと一人でこの店でやってきたんだから、大丈夫だよ」

そんな私の誤魔化しすら空雅くんは全て分かっていた。

私が店に一人になることも寂しいけれど……本当はもう空雅くんに会える場所がなくなることも寂しくて。

だって、もう空雅くんがいる日常がもう当たり前になっていたから。
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