甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。
空雅くんが開店準備をしながら並べていたラベンダーを一本取る。

空雅くんが一本のラベンダーを私に手渡した。



「俺と結婚すれば、店じゃない場所でも会えますよ?」



寂しくない、と伝えるように空雅くんが優しく微笑む。

ラベンダーの花言葉には「貴方を待っています」という意味もある。

まぁ、そんなことを空雅くんは知らないだろうけど。

「澪花さんが頷いてくれたら、いつでも迎えに来ますから。澪花さんの答え、待ってます」

「っ……!?」

「空雅くん、花言葉まで知っているの!?」

「俺だってこの店で働き始めて三ヶ月は経ってますから。勉強だってしますよ」

私の気持ちの整理のために「一週間待つ」と時間をくれるくせに、渡す花はラベンダー。

空雅くんってそういうところが本当にズルいと思う。

そして、こう続けるのだ。




「とりあえず……澪花さん、デートしてくれませんか?」




変わっていく関係性に置いていかれないように、私たちは私たちなりのペースで距離を縮めていく。
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