嘘から始まる恋煩い!
「は?」
一瞬びっくりして私は固まった。
けれどそんな私を見て、世那が笑った。
「あははっ、冗談にきまってんじゃん。間に受けちゃった?」 
「ちょっと、笑えない冗談なんだけど!」
世那はたまに突拍子もないこと言うからなぁ。
「ごめんって。でもさ、恋ってそんな努力してするもんじゃないだろ?」
「うぐっ、我が弟辛辣。」
「だってそうじゃね?なーコハクー?」
そう世那が声をかけると、コハクはミャアと鳴いた。
珍しい、普段世那の言うことは無視するのに。
「おっ、今日は返事してくれた。」
どうやらコハクにいつも懐かれてない世那は返事をしてもらって嬉しそうだ。

「ま、そういうことだから。無理に思わなくともいいんだからなー。」

「…………」
うーん、なんだかスッキリしないなぁ。
結局その日、私の中の心の雲が晴れることはなかった。
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