嘘から始まる恋煩い!
彼が今から何を言うかわからず戸惑っていると、彼はゆっくり口を開いた。

「今日美亜を呼んだのはね、お願いがあったからなんだ。」
「え?お願い………?」
「そう。ちょっとした頼み事。あと最近話してないじゃん?」
「確かに………そう、ですね?」
海里センパイの端正な顔が目の前にある。
慣れているとはいえ、やっぱりなんか落ち着かない。
正直言って………かなり近い。
このまま唇が触れ合いそうで、私はジリジリと距離を取った。
「ねぇ…………。」
いきなり態度を豹変させた彼に少しビクビクしていると、彼が甘い声で私に聞いた。
「オレとの関係は、ギブアンドテイク、だよね?」
「は、はい…………。」
「じゃあオレのお願い聞いてくれるよね?」
「む、無茶振りじゃなければ………?」
さすがに超高級ホテルのディナーを奢れとかなら無理だ。
私は最近好きな小説のシリーズを買い揃えて金欠なのだ。
「そっか。ならよかった。」
私が肯定すると、彼は満足そうに笑って私から離れた。

………いったいなんだったの、さっきのは。
大人の色気みたいなのを感じてしまって心臓に悪い。不覚にもドキドキしちゃうから今度からは距離を測りなおそう。
「暇なとき、またオレのところ来てよ。美亜が前みたいに荒れなくなったのはいいけど、寂しいからさ。」
「………え?それだけ?」
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