悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました


「で……この、誤診や医療ミスが事実なのかを調べろと?」


 大久保編集長はデスクに目を落とし、積み上がった雑誌や書類の山から目的の雑誌を引き抜こうとする。

 横着をしたせいで山が崩れかけ「あぁぁ!」と編集部内に響き渡る声をあげた。


「大丈夫ですか!?」

 慌てて雪崩をせき止めるのを手伝う。

「悪い悪い、ちょっと片付けないとやべぇな。で……これだ」


 大久保編集長は手に取った雑誌を手早く開いて差し出した。

 手渡されたのは、あまり馴染みのない医療の業界誌。

 開かれたページは、スクラブ姿のひとりの男性医師の姿が載るインタビュー記事だ。


「イケメンだろ。芸能誌じゃないからな、それ」


 確かに、医療系ドラマの俳優へのインタビュー記事かと思えるビジュアルの良さ。

 さらりと流れるミディアムショートの綺麗な黒髪。形のいい鋭角の眉に切れ長の目。おまけに鼻筋も通っていて極めて端整な顔立ちだ。


「そこに載ってるのが、問題の医者だ」

「え、これが……」


 薄い唇に微笑を乗せたその近くには、心臓血管外科医、水瀬拓海(たくみ)とある。

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