悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました
「おはようございます。今日は遅出オッケーありがとうございました」
「ああ、昨日は終電ギリギリの時間だったからな。午前休でもいいくらいだったんじゃないか?」
「大丈夫です。本当に休みをもらいたいときに休ませていただきたいので」
そう言うと、大久保編集長は「感心感心」と口角を上げる。
「出勤早々呼んだのは、波多野に担当してもらいたい話が舞い込んできたからで……ちょっと待ってくれ」
大久保編集長はデスクの傍らに置いていたタブレット端末を手に取り操作し始める。「これだこれ」と言って私にタブレットごと差し出した。
目にした画面は、メールの受信画面。件名には【関西水瀬総合病院、誤診、医療ミスについての情報提供】とある。
「あの、これは……?」
「ああ、以前から何度かタレコミがあったんだが、上から調べる価値がありそうだと言われたんだ」
誤診、医療ミス……事件性のありそうなネタだ。
「このタレコミをしてきたのって……?」
「当時、この関西水瀬総合病院に勤務していた外科医だ。なんでも、その医療ミスをしたのがこの水瀬病院の後継者らしい」
「え? 後継者……跡継ぎってことですか」
「ああ。この水瀬病院は、東京と横浜にも総合病院を持ってるかなり大きいグループらしい。後継者は何人かいるらしいが、問題になっているのは、その中の末っ子だって話だ」
総合病院を何院も経営している自体、かなり大きな組織に違いない。