悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました


 パソコン画面の端に表示される時刻は十七時を回る。

 今朝は大久保編集長と話をした後、昨日仕上がった記事の最終チェックをお願いし、入稿の手続きを行った。

 それからお昼を取り、午後からは次の取材の準備を始めた。

 情報提供者への連絡、アポイントのお願い。

 それから取材対象者である水瀬拓海について調べられる範囲で情報を集めた。

 水瀬拓海は、現在三十三歳。

 医者の家系に生まれ育ち、兄たちを追うようにして国立の医大をストレート合格、在学中は好成績で二十四歳のときに医師国家資格に合格、医科大学を卒業している。

 その後は二年間の初期臨床期間を経て、専門研修である心臓血管外科レジデントへ。

 専門医プログラムが終了を迎える三十一歳の頃からイギリスへ飛び、心臓弁膜症、成人開心術の実技研修に行っている。

 臨床フェローとして向こうのチームに入っていたとプロフィールにあるのを見て独自に調べてみると、フェローとして働くには推薦状をもらえていることが前提な上、書類審査、英語力も必須だとわかった。

 集めた資料をパソコン画面上で交互に見ながら、大久保編集長に転送してもらった情報提供者からのメールを改めて開いてみる。

 医療ミスをしたっていうのは、時系列からいけばイギリスに行く前、今から約四年前ってことか……。海外へ雲隠れ、なんて書いてあるし。

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