悪名高い天才外科医と一夜の艶事で愛を孕んだら──想定外の溺甘愛が待っていました
大久保編集長から聞いたところ、この情報提供者は水瀬拓海と同じ心臓血管外科のチームで働いていた関西水瀬総合病院の当時の外科部長。
現在、世田谷区にある水瀬世田谷総合病院に勤務中で、昨年から水瀬拓海もこの世田谷の水瀬総合病院に勤務しているという。
ネットで調べる限りでは、過去に問題になった医療ミスの件は今のところ出てこない。
ただ、病院の口コミで怖いドクターだというレビューが散見される。
海外への雲隠れも、医療ミスが明るみになっていないのも、要するに親パワーだったりするのかな……?
画面を眺めながらぼんやりとそんなことを思っていたとき、マウスのそばに置いていたプライベートのスマートフォンが着信を知らせる。
見ると母親の名前が表示されていて、不思議に思いながらスマートフォンを手に取った。
「はい、もしもし」
《あ、美優? お母さんだけど》
「うん、わかるよ。どうしたのこんな時間に珍しい」
普段、電話をかけてくるのは私が仕事から帰宅しているであろう二十一時頃が多い。
《ごめんね、仕事中だとは思ったんだけど……昼過ぎにさ、航大が仕事場で倒れたって連絡があって》
「えぇ!?」
《それで、緊急オペになって》
「えぇ!?」
告げられた内容に二度も驚きの声をあげてしまう。
航大は私の五つ年上の兄。今年三十歳を迎える兄は、建築関係の仕事についていて、まだ結婚していないこともあり、都下にある実家に両親と住んでいる。