ツンデレ男児 ― 本音を出したら、ちゃんと届いた ―
第7話「ぼく、『 いいよ』っていわなくていい?」
翌日
ワクだけがおばあちゃんの家に行っていた。家の中は、いつもより少しだけ静かだった。
「トワ、今日はどこ行きたい?」
母親が笑いながら聞く。
父親も隣で、「好きなとこでいいぞ」と言った。
トワは少しだけ考えて、
「……公園」
と、答えた。
二人は嬉しそうに頷いた。
公園では、トワは思いきり走った。
いつもより大きな声で笑って、
転んで、
「いたっ」
って言って、
でもすぐ立ち上がる。
父親が手を差し出す。
「大丈夫か?」
「……うん」
少しだけ迷ってから、その手を、掴んだ。
帰り道
「アイス食べたい」
ぽつりと言う。
母親が少し驚いて、
「いいよ、買おっか」
と笑った。
トワは、少しだけ嬉しそうに頷いた。
夜、布団の中。
母親が隣に座って、トワの頭を撫でる。
「今日は楽しかった?」
「……うん」
少しだけ間があって、
「ねえ」
「ん?」
トワは、ぎゅっと布団を握った。
「ぼくさ」
「うん」
「……『いいよ』って、言わなくていい?」
母親の手が止まる。
「……どういうこと?」
「……なんでも、『 いいよ』って言っちゃうの」
小さな声
「……ほんとは、嫌な時は『 やだ』って言ってもいい?」
その言葉は、かすかに震えていた。
母親は、ゆっくりとトワを抱きしめた。
「いいに決まってるでしょ」
優しい声だった。
「トワは、我慢しなくていいの」
その瞬間、トワの顔がくしゃっと歪んだ。
堪えていたものが、ほどけるみたいに。
「……じゃあ」
声が、崩れる。
「もっと、いっしょにいて」
初めての、わがまま。
初めての、子どもらしい言葉。
「うん、いるよ」
母親は強く抱きしめる。
父親も、少しだけ近くに座った。
トワは、そのまま泣いた。
声を出して、泣いた。
それは、今まで出さなかった分の涙みたいだった。
ワクだけがおばあちゃんの家に行っていた。家の中は、いつもより少しだけ静かだった。
「トワ、今日はどこ行きたい?」
母親が笑いながら聞く。
父親も隣で、「好きなとこでいいぞ」と言った。
トワは少しだけ考えて、
「……公園」
と、答えた。
二人は嬉しそうに頷いた。
公園では、トワは思いきり走った。
いつもより大きな声で笑って、
転んで、
「いたっ」
って言って、
でもすぐ立ち上がる。
父親が手を差し出す。
「大丈夫か?」
「……うん」
少しだけ迷ってから、その手を、掴んだ。
帰り道
「アイス食べたい」
ぽつりと言う。
母親が少し驚いて、
「いいよ、買おっか」
と笑った。
トワは、少しだけ嬉しそうに頷いた。
夜、布団の中。
母親が隣に座って、トワの頭を撫でる。
「今日は楽しかった?」
「……うん」
少しだけ間があって、
「ねえ」
「ん?」
トワは、ぎゅっと布団を握った。
「ぼくさ」
「うん」
「……『いいよ』って、言わなくていい?」
母親の手が止まる。
「……どういうこと?」
「……なんでも、『 いいよ』って言っちゃうの」
小さな声
「……ほんとは、嫌な時は『 やだ』って言ってもいい?」
その言葉は、かすかに震えていた。
母親は、ゆっくりとトワを抱きしめた。
「いいに決まってるでしょ」
優しい声だった。
「トワは、我慢しなくていいの」
その瞬間、トワの顔がくしゃっと歪んだ。
堪えていたものが、ほどけるみたいに。
「……じゃあ」
声が、崩れる。
「もっと、いっしょにいて」
初めての、わがまま。
初めての、子どもらしい言葉。
「うん、いるよ」
母親は強く抱きしめる。
父親も、少しだけ近くに座った。
トワは、そのまま泣いた。
声を出して、泣いた。
それは、今まで出さなかった分の涙みたいだった。