夕焼けの空に、君を想う。
足運びがなんだかぎこちない。
一歩一歩、慎重に踏み出してるみたいな。
いや、でも、気のせい…かな。

「…どうかした?」
「あ…いや、なんでもないです。」
数秒の沈黙が流れた。
夕焼けが、少しずつ濃くなっていく。
「……もうすぐだね。」
「え?」
小さく彼が呟いたその言葉は、上手く聞き取れなかった。
「ううん、なんでもない」

「…あのさ、」
彼が少し遠慮気味に私を見る。
「良かったら名前、教えてくれない?」
「え、?」
思わず声が出てしまった。
「僕の名前は桜に太陽の陽で桜陽(おうひ)。苗字は木下(きのした)。好きな事は小説を書くこと、嫌いな事は運動……かな。」
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