夕焼けの空に、君を想う。
おう、ひ。彼にぴったりの美しい名前だと思った。

「君は?」
彼がそう私に問いかける。
いけない、すっかり自分で話を終わらせていた。
「えっと…、望むに月って書いて望月で、苗字は秋口です。好きな事、は特になくて、嫌いな事…というかものは太陽です。」
「太陽?」
「…はい。暑いし、何よりジリジリと照らしつけてくるあの光が昔から嫌いです。」
「僕は太陽、とっても好きだよ。」
「どうして?」

「……触れられない存在だから、かな。」
''触れられない存在''?全く意味がわからない。
そもそも太陽には触れられなくないか?
沢山の疑問が私の頭を侵食していく。その時。

「良かったら暇な時家においでよ」
「は……?」
思わず声が出てしまった。
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