夕焼けの空に、君を想う。
視界が滲む。
そんな事。そんなふうに、言われたことなんてなかった。
今まで、ずっと。

「だからさ、望月。」
「夢、見てもいいんだよ。」
「辛い時は辛いって言ってもいい。」
「泣きたい時は泣けばいい。」
「楽しい時は笑っていい。」
「少しでも好きって思ったら、胸を張って好きって言えばいい。」
「…言う権利も、思う権利も、誰にだってあるんだよ。」

その言葉が、ゆっくりと胸に広がっていく。
夢を見てもいい。
そんな当たり前の事が。
どうして、こんなにも難しかったのだろう。

気づけば、私は桜陽に抱きついていた。
「え、ちょ」
一瞬だけ驚いた声が聞こえる。
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