夕焼けの空に、君を想う。
「望月の可愛い顔が台無しになちゃってて、つい」
桜陽は「汚れた顔も可愛いけどね」と付け足す。
…桜陽はたまに、こうして私をドキッとさせる。
心臓の音がやけにうるさい。
私はその高鳴りを制すように、水を口に流し込む。
「ほんと、そうゆうとこ…」
私がそう言うと桜陽は「どういうとこ?」と少しいたずらな顔をする。
「…なんでもない」
「ほんとに?」
「ほんと。」
桜陽は数秒経ってから私のオムライスをじっと見る。
「食べたいの?」
「え、くれるの?」
「うーん、じゃあそのパンケーキも頂戴。」
「わかった」
そう言って桜陽はパンケーキが乗ったスプーンを私に差し出す。
「え」
戸惑っていると、桜陽が「落ちちゃうよ」と急かしてくる。
私は渋々スプーンに乗ったパンケーキを食べる。
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