夕焼けの空に、君を想う。
「…美味しい」
「それは良かった」
桜陽はそう言ってにこっと笑った後、私を見て不思議そうな顔をしている。
「…僕にはくれないの?」
「え、ここから取っていいよ?」
そう言うと桜陽はむすっとする。
「食べさせてよ」
まさか、私もしなければいけないとは。
口を開けて待っている桜陽にオムライスが乗ったスプーンを近づける。
「美味しいね」
「そう」
人はいないとはいえ、いくらなんでも恥ずかしい。
不貞腐れた顔をしている私を見て、桜陽は笑う。
「恥ずかしいの?」
「だって、その…あーんだなんて…」
「僕は楽しかったけどな」
そう言う桜陽はどこか嬉しそう。
嬉しいなら、別にいいのだけど。
「これも、やってみたかったうちの一つなの?」
「うーん…まあ、たまたま?」
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