夕焼けの空に、君を想う。
礼儀も、作法も、運動も、勿論勉強も、何もかもが完璧だった。
まだ、五歳なのに。…二人の愛情が全て、桜夏に注がれている気がした。

次第に父さんと母さんはもう家に来なくなった。
それが、普通。
そう思って、寂しいなんて思わないようにした。
思ってしまったら、止まらなくなるから。

…でも。
本当は、ずっと、誰かと一緒にいたかった。

それでも…夜になると、どうしようもなく寂しくなった。
静かな部屋。
時計の音だけが響く。
その中で、一人でいると。
___自分が、この世界にいないみたいな感じがした。

自然と涙が零れる。
一人で、寂しく。
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