来年も、君と桜を。
でも、


(あったかい)

パーカーも、

胸の奥も。


「……蓮くん」

小さく呼ぶ。

「ん?」

「優しいですね」

思ったまま言ってしまう。


すると、

「は?」

露骨に嫌そうな顔。


「どこが」

「全部です」


即答すると、

「……バカじゃねぇの」

そう言いながら、

ほんの少しだけ照れている。


(ほんと、わかりやすい)


沈黙。

でも、

その沈黙が心地いい。


(……この時間、好きだな)


そう思った瞬間、

胸が少しだけ痛くなる。
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