来年も、君と桜を。
言った瞬間、自分でもびっくりする。

(なに言ってるの私)


でも、

止まらなかった。


「誰でもいいわけじゃないですよね」

蓮が、黙る。

その沈黙が、答えみたいでーー


「……陽菜」

名前を呼ばれる。

低くて、少し震えてる声。


「お前さ」

一歩、近づいてくる。

距離が、一気に縮まる。


(……近い)

逃げられない。
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