響け!涙のペザンテ
レオンハルトは呪文を唱え、探偵事務所の近くへと魔法で瞬間移動する。そして事務所に向かって歩き出した時だった。

「レオン。こんなところで会えるとは思わなかったよ」

声をかけられ、レオンハルトは振り返る。兄のルートヴィッヒ・ジッキンゲンが立っていた。

「兄さん。どうかされましたか?」

レオンハルトにルートヴィッヒは近付く。その手には大きな封筒があった。その封筒を彼はレオンハルトに渡す。

「これが例の資料だよ」

ルートヴィッヒは囁くように言う。レオンハルトの表情が一瞬にして真剣なものに変わった。

「兄さん。ありがとうございます」

「いいんだよ。また何かあったらいつでも私を頼ってほしい」

ルートヴィッヒは微笑み、背を向けて去っていく。レオンハルトは封筒を手に、事務所とは反対方向へと向かった。

(さすがにこれは見られたらまずいからね)

特にリズには見られてはならない。レオンハルトは近くにあるカフェへと入った。
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