妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る
 私は歯を食いしばって陰湿ないじめに耐え抜き、学校を飛び級で主席卒業した。

 あの地獄のような学生生活に比べれば《賢者の塔》のイジメなど鼻で笑ってしまうほど生温かった。

 学生時代とは違い、いまこの瞬間にもお給料が発生している!

 そう思えば使い走りにされても笑顔でいられたし、嫌いな先輩や上司に媚び諂うことだってできた。

 知識を脳に詰め込み、魔法の腕を磨く。
 その一方で愛想を振りまき、先輩や上司にゴマをすってコネを作る。

 そうして地道に努力した結果、私は宮廷魔女となった二年後に専用の個室と研究室を得ることができた。

 たった十八歳で《賢者の塔》の研究室持ち。快挙である。
 父や母は涙を流して喜んだし、四人の弟妹たちは「お姉ちゃんすごーい!!」の大合唱。

 このまま出世街道を驀進すれば《賢者の塔》を牛耳る《大魔導師》にだってなれるはずだ。

 愛情を持って育ててくれた両親に雨漏りしない新築の家だってプレゼントできるだろう。

 いやあ、人生って素晴らしい。
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