敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

2.悩める後輩



 午後になり、顔をあげるとそこには後輩の林成美の目があった。

 彼女は海江田の二つ下。

 この課では一番下だが、そろそろテーマを与えられ、記事の下書きを作らせる段階だ。

 彼女はおととい、新たなテーマを指導員の海江田から与えられたらしく、悩んでいるのは知っていた。

 だが、雪も急ぎの仕事を複数抱えている。

 行き詰っているんだろうとは見てわかっていたが、声をかける余裕が自分になかった。

 彼女は目が合った瞬間から、待っていたかのようにしゃべりだした。

「雪先輩。私やっぱりこの仕事不向きな気がするんです」

「成美ちゃん。不向きならもうとっくに辞めてるでしょ」

「だって、いくら考えても方向性が思いつきません」

「だからね……そういうときは、気分転換に別な仕事をしましょう」

「うー」

「ねえ、成美ちゃん。そのブラウスいいね」

「え?」

「甘いけど……辛い」

「雪先輩。このデザインは甘々なんですけど、一体どこに辛さがあるんでしょう?」

 成美は不思議そうに首を傾げた。

 確かにフリルが首周りと袖周りにふんだんについている。

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