敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
「仕事の調整もリーダーの資質の一番大事な部分だ。部下を育てるのと同様に大事なことだ」

「はい……」

「佐山はどっちも出来てないのに、リーダーになれるとは到底思えない。部長はお前びいきだからな、目が曇ったようだ」

「っ!……失礼しますっ!」

「早く仕事をまとめて持って来いよ。くくく……」

 意地悪だ。ああ、悲しい。雪は逃げるように背中を向けて部屋を出た。

 高原の例の笑い声がする。毒舌で昔から雪には人一倍厳しい。

「はー」

「佐山」

 振り向くと部長がいた。海江田達二人へのお仕置きは先に終わったようだった。

「氷室商事の件、アポは予定通り取れたか?」

「はい。部長が先にお話を通してくださったので、メールですぐに返信が来ました。ありがとうございました」

 その返信相手が思いもよらぬ面倒な相手だった。そのことはさすがに部長にも話せなかった。

「そうか、よかった。あとはインタビュー原稿だな。明日には俺のほうにもあげてくれ」

「わかりました。今日中にチーフへ見てもらい、明日には部長へ上げる予定です。よろしくお願いします」

「それと実は新しいチームを……」

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