敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です
 マシって……。

「……あ、あの……」

 小西チーフは私の頭をぐちゃぐちゃと撫でた。

「佐山は私の下にいたし、あの頃は随分いじめたよな。ごめん」

「小西さん……」

 初めて言われた。彼女が昇格する直前、誤解されていたんだと思う。

「昇進なんて嬉しくなかった。佐山のせいで追い出されるのかと思ったからね」

「だから、それは違うってチーフも言ってましたよ」

 小西チーフは私達の前で気持ちを隠さずチーフにそう聞いたのだ。

 そうしたら、チーフは笑って言った。

『小西は自慢の部下だ。佐山はまだ自慢の部下にもなってない。胸を張ってチームリーダーになってくれ』

 正直羨ましかった。

「チーフのこと、ちっともわかってなかった。当時はあの言葉に騙されたよ」

「え?」

「佐山」

「はい」

「頑張れよ」

「えっとそっちはダメですけど、仕事は頑張ります」

「佐山もおバカさんだね」

「あの、大丈夫ですか、小西さん?」

「いまさら、慰めはいらないよ」

「いや、そうじゃなくて……」

 少し迷ったが一応言うことにした。

「小西さん、実はモテるから周りも見てください」

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