同期の御曹司社長と一夜を過ごしたら仕事中も溺愛されています

1章 一夜の始まり

同期だった神宮寺蒼が、新社長として壇上に立っている。

御曹司だということは、入社当初から知っていた。

けれど——本当に社長になる日が来るなんて。

まるで別の世界の人みたいだ、と少しだけ遠く感じながらも、私は視線を上げた。

「私はこの会社を、皆の夢が叶う場所にしたい」

静かで、よく通る声。無駄がなく、それでいてまっすぐに胸に落ちてくる。

「社長になったからと言って、第一線を退く気はない。皆を最前線から引き連れるような社長になりたい」

その言葉に、会場のあちこちで小さなざわめきが起こる。

でも私は、ただ静かに頷いていた。

——ああ、やっぱり。

神宮寺らしい。

入社したばかりの頃から、彼は変わらなかった。

口数は少ないのに、誰よりも仕事に向き合っていて。

気づけば周りがついていく、そんな人だった。
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