先輩の卒業♡
「なんか寂しいよな」
先輩は言った。

その目鼻立ちの整った顔を忘れないように、焼き付けておきたかった。

そこまで親しくなることもなかった。
ただ、挨拶だけしてた。

「大学行っても、バスケ頑張ってください」
私は言った。

ありきたりのことしか、もう浮かばない。

東京の大学にバスケの推薦で決まったらしい。

「うん」
先輩は頷いた。

このままじゃ、先輩は立ち去っちゃう……

「先輩がバスケで認められたのすごいなって、想います」

「いや、まだまだ」
そう言って、微笑みながら先輩は首を振る。

「西野だって、頑張ってんじゃん。いつも汗だくだよな。冬でも汗かいて動いて必死なの伝わってた」
先輩はそう言った。

汗かいてるのなんか、見られてたんだ。
恥ずかしくなってきた。

「……」
何も言えない。

それって、いいイメージなんだろうか?いや、あんま良くないかな。

「山下〜写真撮るぞ」
そう呼ばれる声がして、先輩は手を振った。
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