悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
櫂理君を起こした後、少しだけ冷めてしまったビーフシチューを温め直すため火にかける。
今日は父親はゴルフ接待で、母親は休日出勤なので、家にいるのは私と櫂理君だけ。
だから、家事全般を担うことになり、今日は一日忙しい。
以前両親がいない日は櫂理君と二人で分担しようという話になったけど、試しに掃除を任せてみたら力が強いせいか、ことごとく物が壊れるので、それ以降は何もやらせないことにした。
「美味そー。俺のは肉多めに入れて」
コトコトとビーフシチューが良い具合に温まってきた頃。
ようやく起きてきた櫂理君に後ろから突然抱き締められ、私は危うくお玉を落としそうになった。
「分かった。でも、食べる前にちゃんと顔は洗ってね」
「……んー。暫くこうしてから」
どうやら、未だ頭は冴えていないようで。
櫂理君は私を抱き締めたまま肩に顔を埋めると、そのままうたた寝をし始める。
本当に、こうしてみると大きな子供にしか見えない。
身長は180近くあるのに、背中を丸めて甘えられると幼い頃の櫂理君を思い出し、母性本能を大いにくすぐられる。
「もう櫂理君。これじゃあご飯の支度が出来ない……」
ピンポーン。
すると、玄関のチャイム音が突如鳴り出し、この時間帯では珍しい来客に、私はインターホンのモニターを確認すると、そこには私服姿の圭君が立っていた。