悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~




__それから数年後。



「ねえ、櫂理君って好きな子いるの?」

中一になって初めての期末テストが終わり、久しぶりに莉子と一緒に下校した日。
突然投げられた質問に、俺は思わずその場で立ち止まってしまう。


「………………いない」

それから、どう答えようか迷ったけど、とりあえず今は混乱させてはいけないと。
短い間で脳をフル回転させ、そう結論に至った俺は無難に答えた。

「もしかして、莉子は好きな人いるのか?」

そして、瞬時に浮かんできた疑問をすぐに吐き出してみる。

こんな質問をするということは、十中八九そんな気がして、緊張と不安で徐々に鼓動が早くなっていく。


「……えと、好きな人っていうわけではないけど、気になる人なら……」

「誰?」

そして、嫌な予感が的中した瞬間、俺は莉子の言葉を遮り即座に聞き返した。

「え?あの……同じクラスの橋本君。でも、本当にただ気になるだけだよ。橋本君はクラスの人気者で、誰にでも優しいの。だから、ちょっといいなって思って」

俺の食い気味な反応に若干戸惑いながらも、照れくさそうに教えてくれた莉子の表情はすこぶる可愛くて。
話してる内容が違ければ、このまま見惚れてしまうくらい。

でも、そんな余裕は当然あるはずもなく。

心の底から湧き上がる憎悪と嫉妬で、今にも気が狂いそうになっていく。


「これ誰にも言わないでね。櫂理君だけ特別」


一方、俺の心境なんて露知らず。
これまた蕩けるような笑顔で向けられた“特別”という単語が、これ程までに残酷だと感じたことはなかった。
< 110 / 161 >

この作品をシェア

pagetop