悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「ねえ、莉子。ちょっと寝たいから膝枕して」
それからお昼を食べ終わり、そろそろ美南の所へ戻ろうとしたところ。またもや櫂理君の甘えん坊が爆発し、尚且つ猫撫で声で言われてしまっては、もはや太刀打ちなんて出来るはずがない。
「もう、十分だけだよ」
だから、一応条件はつけてみたものの。結局はまた櫂理君のペースに巻き込まれてしまうんだろうなと、自分の行動が大体予想つく。
私の膝の上で満足そうに目を瞑る櫂理君。
サラサラの細い黒髪が膝に当たって少しくすぐったいけど、この髪質は触り心地が良くて、つい手が伸びてしまう。
こうしてまた、私は勝手気ままな弟を甘やかし続ける。
このままじゃダメだって分かっているのに、なかなか止められないのは、私も相当彼に対する愛が重いということなのか。
それは、弟として?
それとも、男として?
ふとそんな疑問が浮かんできて、櫂理君の頭を撫でていた手の動きがピタリと止まる。
……やっぱり、ずっとこのままでいいはずがない。
いつかは櫂理君の気持ちに応えないと、私達はこのまま前に進む事が出来ない気がする。
この曖昧な関係を、いつの日か終わらせないと。
そう心に決めるも、櫂理君の天使のような寝顔を見ていると、その決意は呆気なく崩れ落ちてしまう。
今はまだ、この穏やかで心地良いひと時を手放したくなくて。
そんな私の我儘と櫂理君の我儘が相まって、結局は何一つ変わらないまま、今日もまた平和(?)な一日が過ぎようとしていた。