悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~

◇◇◇




「莉子。あーんして」

「……う、うん。いただきます」


あれから櫂理君に連れてこられた場所は、中庭の広場。

普段は不良達が陣取っているけど、櫂理君がいれば誰も近寄って来ない。

だからなのか、櫂理君の甘えが止まらず、私は先程から彼にお弁当を食べさせられ続けている。

「ねえ櫂理君。お弁当自分で食べるから、お箸返して」

それもこれも、櫂理君がコンビニ袋に入っていた、もう一本のお箸をゴミ箱に投げ捨てた為、主導権は全て彼のものとなってしまった。

「それじゃあ、今度は莉子が俺に食べさせる番」

それをいいことに。

櫂理君はその権力を意図のままに操り、これまたキラキラとした穢れなき少年のような目を向けてくるもんだから、姉としては当然それを拒む事は出来ない。


この子、絶対私の扱い方分かってる!


そう気付いてはいても、体は勝手に動き出し、私は彼の掌の上で転がされる。


「櫂理君、美味しい?」

「うん。でも俺は莉子が作ったお弁当が食べたい」

「それじゃあ、今度作ってあげるね」


でも、それでいい。

やっぱり、何であろうと私の弟は可愛いから。

例え、人を締め殺そうとしても。
五人相手の大人を秒殺したとしても。
このヤンキー校史上最強であったとしても。

昔と何も変わらない、あどけない笑顔を見せられたら、愛しさしか湧いてこない。
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