悪魔な義理弟《ボディーガード》~ヤンキー校最凶犬男子の独占欲が強過ぎる~
「それじゃあ、そんな櫂理君に朗報を教えてあげるよ」
すると、ぽつりと呟いた圭の一言によって、遠くに行っていた意識が一気に引き戻される。
「噂で聞いたんだけど、この近くで講演会という名の催眠商法をしている奴がいるみたいで、かなり好評なんだってさ」
「催眠商法って……それ意味違うだろ」
こいつは俺を馬鹿にしているのかと。
全く見当違いの話をしてきたことに、若干苛立っていると、圭は読んでいた本を閉じ、何やら怪しい笑みを浮かべてこちらに向き直してきた。
「それがマジの催眠術らしくて、八割方落ちるんだと。俺はそういうの全く信じないけど、ものは試しに行ってみてもいいんじゃない?」
そして、完全に遊びでしかない誘いに、俺は乗るかどうか頭を悩ます。
ああは言ったけど、俺だって催眠術なんか全く信じてない。
けど、もし本当に成功したら。
莉子が俺を男として見るようになったら。
いっときの夢が叶うチャンスかもしれない。
「…………分かった。それじゃあ、詳細調べとけ」
それから、色々考えた結果。
不発でも何でもいいから、やるだけやってみようという結論に至り、俺達は莉子の催眠術計画を密かに進めていった。